【検証】黄金比の図法

カルトナージュ製図Ⅲ『お福箱の製図学』で用いる「黄金比の図法」と「5:8比矩形」の相違について解説しておきます。

ひょうたん形とかぼちゃ形

『お福箱の製図学』は、『布箱の製図学』に収録した幾何図法を元に作成した図案で構成されています。中でも、黄金比矩形と5:8比矩形を用いた図案では、矩形の違いから作図“できる・できない”に留意することを付記しています。黄金比の図法で作図する図案は「ひょうたん形」。5:8比矩形で作図する図案は「かぼちゃ形」です。

1:1.618と5:8

黄金比と5:8比は近似な比率として、しばしば製図で用いてきました。この両図法は『布箱の製図学』で学習することができますが、黄金比矩形と5:8比矩形は、図法においては異なるもので、黄金比は幾何図法として「黄金比の図法」で作図し、5:8比矩形は「線分の等分法」を応用して作図するものです。『お福箱の製図学』で図法の相違が重要なポイントになっているため、以下に図示しておきます。

黄金比の図法

黄金比率を忠実に表せる図法は「黄金比の図法」。5:8比はあくまでも近似な矩形になるため、図のように重ねてみると5:8比矩形の長辺は少し短くなるのです。ただ5:8比矩形が間違いということではなく、創作的な製図に用いた場合に矩形の違いが重要になるということです。