ビームコンパス製図の実際

カルトナージュ製図の実際として、ビームコンパスについて述べておきたいと思います。

製図コンパスと洋裁コンパス

製図用のビームコンパスは片軸で伸縮するものと継足すものが一般的で、おおむね30cmの開きまでです。それでも直径60cmの円弧が描けるわけですから、サークル形のカルトナージュなら十分なコンパスだと思います。一方で洋裁コンパスは両軸が伸縮ビームになって36cmまで開きますが、軸を安定して描くなら35cmです。製図コンパスとの差5cmとはいえ、オーバル製図や円錐台の図法は焦点までの距離が長くなるため、決めたサイズによっては“あと1cm開けば!”といった場面を解決してくれるのです。

製図用コンパス
洋裁コンパス(36cm)
洋裁コンパス(洋裁コンパスには針芯の形状が異なるタイプがあります)

縦に変化するカルトナージュ

縦に変化するカップやタンブラー形は最近のつくりたい形における注目モチーフですが、実際の製図は大きな弧線で展開図が作図できるビームコンパスが必須なわけです。実際にどれくらい必要なのか市販のカップ麺のカップ(底の直径が6.5cmで口縁の直径が9.5cm、高さ11cm)を例にすると、円錐台形の焦点距離はおよそ半径35cmの円弧が描けるコンパスが必要になりますが、洋裁コンパスでもギリギリといった作図です。

例)タンブラー型カップ(市販カップ麺の大きさ)

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