96cmビームコンパス

『お福箱の製図学』で使用した、BIG!ビームコンパスについて述べておこうと思います。

あったらいい道具

カルトナージュ製図そのものが“コンパス製図”ですから、コンパスの種類や大きさも大・中・小と使い分けできれば、製図の作業性は高まるものです。とはいっても、高価な製図器を揃えるのは容易ではなく、汎用な製図器があればよいのですが、最近は製図器の需要がなくなりつつあり、特殊なものは廃番になっていく傾向にあります。

汎用なビームコンパス

初歩的なカルトナージュで使うコンパスなら、半径27cm前後のものが主流ですが、形を大きく作られる方なら半径30cmを超えるコンパスは必須です。私の経験値では、半径34cm〜37cmくらい開けばと、何度も感じたことがありますが、既に紹介している「洋裁コンパス」は、その点に近いものなので有用なコンパスだろうと思っています。

柊形で使用したコンパス

今回『お福箱の製図学』の最終を飾る「柊形」(P.113参照)には、長さ145mmで幅110mmの器皿に対し、コンパスで用いる図法上の半径が約50cmに及ぶんですね。これは円錐台の図法を用いる場合に考慮すべき重要なポイントです。

そうすると「洋裁コンパス」では作図できませんから、最大半径96cmまで開くビームコンパスを使用しています。アルミ製のバーをスライドして、針と芯を開いて使うしっかりした構造です。1本のバーが50cm、2本を継いで1mの長さになりますので、その中で有効な範囲が96cmとなります。

ビームコンパス