ひょうたん形の成形法

ひょうたん形のカルトン成形法について述べておきます。ひょうたん形の製図というのは、大小の円弧を反向させてつないだ形ですから、弧線の膨らみが反向します。カルトンで成形する場合は、反向する曲面をどう一定に成形できるかが重要です。

カルトナージュ曲面の特徴

カルトナージュの成形で取り扱う曲面には、円弧を一方向で用いる単曲面や、円弧を複数つないだ複合曲面、そして円弧が逆向きに繋がったS字曲面、S字曲面が連続する波型曲面です。『お福箱の製図学』には、複合曲面を持つ形がいくつか収録されていますが、曲面の成形を代表するのが「花襞形」の波型曲面と「ひょうたん形」のS字曲面です。

S字曲面や波型曲面は、カルトンの表裏によって、曲が一定になりにくい特徴を持ちます。「ひょうたん形」の場合は、外側を表目、内側を裏目に使っていますが、大小の膨らむ円弧が表目になるのに対し、くびれ部分の円弧が反向するため表裏が逆目になるわけですね。つまり、大小の円弧の曲げよりも、紙目を逆に曲げるくびれた円弧の方が強く反発してくるのです。通常の曲げ方では、巻いた後に型板を入れてクセをつければよいのですが、くびれた部分が少し反発して広がり、どうしても収まってくれないことが多いのです。

ひょうたん成形型

スタディモデル作りの際に、私が使った成形型をご紹介しておこうと思います。ひょうたん形は、1枚板で周回するよりも、2枚に分けて繋ぎ合わせるほうが現実的で作業性が高まります。そこで、ひょうたん形を半分にした成形型をつくり、あらかじめ湿式成形した台紙を組み立てる方法をとっています。その際に、側面を垂直に曲げて繋ぎ合わせられることが肝心です。

ひょうたん型
半分の側面板をS字に曲げるための型
ひょうたん型
左右対称で2枚、湿式成形でアタリをつける
ひょうたんの型板
組み立て型は型板を入れて、全体を成形する
ひょうたん形
成形したひょうたん形