手芸糸の活用

手芸店でタッセルに使える糸を探していると、いろんな素材や材料を見つけることができます。タッセルの糸に決まりのような事柄はありませんが、タッセルになるかどうかでは別問題です。飾り用のタッセルと、普段使い用のタッセルとでは素材・材料の選び方が違います。飾り用なら繊細な垂れ方をするカットスカートでよいのですが、バッグタッセルやキータッセルで使う場合には、房が解けてこない素材を用います。大きなタッセルと小さなタッセルとでは、使う糸の太さも違います。また、豊富な糸色の刺しゅう糸であっても、糸色とタッセルにした色とでは全く印象が異なったります。実にタッセルとは豊かな表情をもつゆえに、難しく奥深いものです。

どう使う?タッセルの糸

タッセルに使う基本的な材料は繊維素材ですが、それぞれ糸の長所と短所を知っておくことが大事です。主に天然繊維や化学繊維を原料として作りたいタッセルに合った素材を選ぶことです。それぞれの材料特性や効果を知り、目的に合わせて相性のよい材料を使うことが肝心です。

植物繊維:Natural fiberコットン(綿)、リネン(麻)、バンブー(竹)
動物繊維(獣毛・絹):Animal fiberウール(羊)、モヘア(アンゴラ山羊)、アルパカ(ラクダ科)、絹(蚕)
化学繊維(再生・合成・無機):Chemical fiberレーヨン、キュプラ、アクリル、ナイロン、金糸・銀糸(金属繊維)
Tassel N

衣服に用いられる繊維は最も身近なところにあるものです。本来のタッセルの原初な素材はウール(獣毛)です。その後、亜麻、絹、綿、レーヨンという、繊維素材の歴史をたどりながら用いられてきました。現代のタッセルの素材の中心は、コットンやビスコース(レーヨン)です。

手芸糸の活用法

コットン刺繍糸25番手

ナチュラルな定番素材です。小さなタッセルには、刺繍糸の25番が最適な太さです。糸色が豊富でコードの色と合わせやすく、安価で手に入れやすい素材です。また、糸抜きによって撚り合わせの調整をすればスレッドのバリエーションが広がります。

コットン刺繍糸16番手

螺旋状に甘撚りのかかったアブローダーは、艶のある均整のとれたスレッドです。エンブロイダリーのような糸抜きをすることはできませんが、そのまま束ねて房にして使える利点があり、房にすると糸の均整度が美しくあらわれてくることが特徴です。

ビスコースレーヨン刺繍糸

人造絹糸と呼ばれる再生糸(原料は木材パルプ)。ビスコースレーヨンと呼ばれ、その製法からしなやかで光沢のある糸が特徴です。化学繊維は染色が難しく糸色が少ないのですが、その光沢と発色の色ヌケは抜群です。単糸はコットン刺繍糸よりも少し太くなります。

シルク刺繍糸

蚕から紡ぐ自然素材の逸品。タッセル素材としてたいへん高価な糸になります。コットンよりも軽く、ふっくらと均整のとれた房状になり、艶やかな発色は品のある仕上がりになるのが魅力です。ただし、素材のデリケートさから扱い方も難しくなります。

リネン刺繍糸

ナチュラルな傾向から麻を用いたタッセルも多くなりました。リネン(linen)は、亜麻(植物)からとった繊維で作った糸をいい、その種類には、黄麻(jute)、大麻(hemp)、芋麻(chaina grass)、ポリエステル混紡まであります。スタイルを限定した使い方ができます。

メタリック糸

18世紀頃の豪奢なタッセルに使われた金糸・銀糸は金属繊維でしたが、現在の金糸・銀糸はポリアクリルを用いたメタリック糸が主流です。コードとの撚り合わせやネックへの混糸などに用い、タッセルのアクセントになる重要な素材になります。

スーピマ綿クロッシェレース糸

スーピマは南米ペルーの超長繊維をもったピマ綿から作出したアリゾナやメキシコ産 のものです。繊維の均整度にすぐれ、天然の撚りが多く、油脂分が多いことから手触り感と光沢にすぐれています。クロッシェはレース編糸ですが、タッセルの素材として重宝します。

ウール糸

獣毛繊維では定番のウール。ウール素材には、様々な加工を施したものがあるのが特徴です。ここに紹介するのは刺繍用のウールです。糸色の豊富さと糸抜けの少ない丈夫さが魅力だと思います。主にポンポンに使っていますが、毛先が細く固く形がくずれにくいことが特徴です。

お役立ち講座

市販の手芸糸を用いてタッセルづくりに役立てられるよう、タッセルの糸に関する記事をまとめてご紹介しています。