【布箱の製図学】正五角形の図法
正五角形は、ペンタゴン:Pentagonと呼ばれるカルトナージュを代表する定番の形です。幾何学理論を元にした正五角形の作図法を知っておくと、星形や花形のカルトナージュ図案に拡張していくことができるようになります。
正五角形:pentagon
風水では神聖さを秘めたお守りの図形といわれ、ペンダントやネックレス、ブレスレット等のストーンカットにペンタゴンが使われるのには守護の意味が根本にあるようです。五角形は奇数トリムをしなければならない難しい形状ですが、マルチアングルに用いたり、底辺を基準にして箱の向きを定めることができます。
2つの正五角形の図法
正五角形は分度器を使って定正円を72°に分割することで作図できますが、応用がしにくい表現方法です。製図を元にするカルトナージュづくりは、大きさを捉えた作図が不可欠ですから、「定正円に内接する正五角形の図法」を基本にします。下図は定正円の大きさを元に五角形を捉える図示方法の基本です。
カルトナージュの用い方によっては、布地の柄を五面に合わせてトリムするために、一辺の寸法を決めたいことがあると思います。もう一つ知っておくべき作図法は、正五角形の一辺の長さを決めて作図する方法です。
定正円を分割していく図法では、作図の誤差により閉じ辺の長さが合いにくくなるのが欠点です。コンパスだけでなくディバイダを併用しながら、心点に対し正確な引き出し線を引いて導いていくことが肝心です。
カルトナージュ製図はコンパスで作図するため、予め箱の大きさを決めて作図できることが重要です。仮に箱の大きさをコンパスで描いた正円の中に捉えることができれば、正円がおよその箱の大きさになります。コンパスで正五角形を作図する図法は分度器製図よりも手順が多くなりますが、カルトナージュ製図を基礎から身につけるうえでぜひともトライしてほしいテーマです。