内装を仕切る中仕切りの手法
布箱の内装の仕立て方には、組手(くみて)と呼ばれる中仕切りの手法を用いることがあります。内装の仕立ては単に内装材を内側に貼り込むだけではなく、中身の実用性や機能性を考えて内装スペースを配分する「中仕切り」という手法を用いるのです。
中仕切りと組手
箱の内部を仕切る場合は、仕切り板によって縦および横に区切りをつける「中仕切り」を施します。中仕切りの手法は、仕切りに使う面板を互いに組み合わせて、内装の一角をスペースに配分できるよう衝立にする「組手」と呼ばれる各種の方法を用いることができます。
カルトナージュでもジュエリーボックスやレターボックス等、複数品を収容する仕切りとして面板を内箱に接合してスペースを区切っていきます。中仕切りは、箱の用途や用い方に応じた内部構成をするため、内装において布貼りが美しく処理できるよう考えなければなりません。内装において衝立に用いる面板は両面を用いて仕切る必要があるため、布地を貼り込む際に裁ち落としと糊代の処理を考慮した作り方であることが重要です。
※[ 組手 ]梱包紙器の分野で古くから用いられている専門用語として、身近な段ボール箱や食品紙器等の内装に、板紙等で物品を配列し固定するために用いられている。
内装を仕切る組手例
巾面分割仕切り
分割仕切りは箱の内側に面板一枚を組み込んで、内装空間を二分割する方法です。通常の面板だけの分割は、底面板と側面板にかけて中仕切りを接着しなければなりませんが、内底面板と折り合わせた仕切り板を一体で組む方法です。
十字組み仕切り
十字組仕切りは、二枚の分割仕切りをベースにして、面板の中央で交差させて十字に組み込む手法です。長面と巾面の仕切り板を交差させて、十字に組み合わせるものです。通常は、十字に嵌め合わせた仕切り板を入れ込む方法です。
キ型組み仕切り
中仕切りの形が「キ」の字に見えることから、キ組みと呼ばれる組み方です。内装を縦軸で二分割し、横軸に三分割する区切り方です。外箱より高く設計した“突き出し”と呼ぶ中仕切りを、斜角をつけて収めていることが特徴です。
T型組み仕切り
中仕切りの長面と巾面とが“T”字に組み合わさることから、T型組み仕切りと呼びます。仕切りの配列比を違える場合に有効な組手になるもので、中仕切り対して面板を突き合わせて接合し、空間を異なる大きさに分割する方法です。
井形組み仕切り
中仕切りの面板を「井」の字に嵌め合わせることから、“井組み”とも呼ばれています。仕切り面板を、直角の格子状に嵌め合い公差で組んで区切る手法です。箱の内部を同じ間隔に区切って、複数の物を整列させられることが特徴です。