ヒンジカバーBOX

一般紙器の形態において蝶番を軸に蓋が開閉する箱を「ヒンジカバー式」と呼んでいます。カルトナージュの形態における基本の一つでもあり、蓋やヒンジの違いによって様々に用いることができます。カルトナージュでは基本的な技術の一つになります。

ヒンジカバーとは?

一般には書籍の形態を模していることから「ブックタイプ」と呼ばれている箱は、主に据え置く形で上面を蓋として開閉するヒンジ式カバー(蝶番が蓋を兼ねている構造)の仕組みになっています。このようなヒンジ構造は、一軸でつくる折りヒンジというカルトナージュでは最もポピュラーな手法を用います。蓋と背面、背面と底面を折り曲げて連結させ、底と背面は固定し蓋のみが直角に開閉する一体成形ヒンジの仕組みになっています。比較的少ないパーツで単純に組み立つことから、基礎的なモチーフにもなっています。

基本的な一軸式の折りヒンジ

ヒンジ式カバーは蓋を折り曲げて連結させるヒンジを作る技術が求められます。ヒンジの要素技術は「溝きり」という上製本で用いられている手法です。カルトンを芯材にした蓋を開閉しようとすれば、背と蓋を「溝」で切って繋ぎます。ヒンジカバー式が基礎技術として好まれる理由は、底・背・蓋を平の状態で作成できるため、初級者でも作業が容易だからです。底・背・蓋は、それぞれ単板で切り出されたものを、溝を切って繋ぐのですが、底と背は身箱によって固定し、背と蓋のヒンジのみを可動させるよう残します。底・背・蓋は垂直に固定した箱の状態に組立てるため、ヒンジは直角の範囲で可動するのです。

内面のヒンジ軸
背面のヒンジ軸

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