ふわふわタッセル

ヴァレンタイン、フランス菓子のカヌレ(Cannelés)、フルールをイメージモチーフにして、柔らかなウールスカートをラッフルさせたカヌレ型のタッセルを創作しました。
タッセルのネーミングも、この春のフワッとナチュラル感を取り込んだ「ふわふわ」。

ウール糸を束ねると単調に膨らみがちですが、フワフワっとした膨らみを引き出すために、しっとりとして柔らかい触感の中細毛糸をラッフルスカートにして、固く毛立ちのよい合太毛糸をラフで用いて、異なるウール素材2種類の特質を組み合わせています。スカートは、毛糸の波打つループラインで軽やかなフォルムをつくり、それでいてヘッドトップを、6ストランド・ラウンドノットで編み込んだ、ザクっと感のあるラフに仕上げています。シンプルなフォルムですが、複雑な糸色配色もこのタッセル独自の魅力です。

とっておきの“ラッフルスカート”

タッセル“ふわふわ”は、グシャグシャとしたザックリ感のあるタッセルですが、その力点は毛糸のスカートです。毛糸は房に束ねた場合に膨らむ特性が強すぎて、スカートのバリエーションを変えることが難しい素材です。毛糸の膨らみと反発によって、タッセルのボリューム感を得るのですが、モコモコ、ゴワゴワと太麺が縮れてもつれたようなスカートになるため、デザインが固定された単調なシルエットになりがちです。
「ふわふわ」は太さと質の違う毛糸を用いることで、スカートはしっとり柔らかく、ヘッドとラフは毛立ちの固いフォルムです。どうしてもフォルムとデザインがマッチしないため、違う毛糸を用いる発想の転換をしましたが、案外気づかないポイントでした。自分で考えて作っているものの、逆にでき上がったタッセルから教わったのです。

スカートのデザインにワクワクしながら引き揃えた、スカートにフリルとラフを合わせた“ラッフル”というスカートです。毛糸を幾重にもループさせながら、フリルのように切り替えしてラフにまとめます。かなりの糸量になるため、しっとり柔らかな細い毛糸を選んで密度を高めています。