フィオレカップ

2014年の春は「フラワー」がトレンド。いち早くトレンドを取り入れるのもカルチャーの良さです。とはいえ、クロスがフラワー柄ということではなく、花カップにした創作カルトナージュのご紹介です。

フィオレカップの形と図法

花の形を縦に象形したカップの基本形状は円錐台形です。側面は円錐にラウンドし、花弁を模した長楕円を重ねています。カップの口縁に楕円形のフィンを連ねたシルエットです。

フィレカップの製図

フィオレカップは三弁で開いた展開図を二組み作図し、組み合わせて全体の形にしています。正六角形の図法にオパール形の図法を組み合わせた複合図法で作図します。
製作に必要な材料が少ないことも特徴の一つです。水貼りテープも使いませんし、下打ちもしません。0.5mm厚のカルトンのみで組立てる構造です。外装と内装で都合1mmの厚みになりますので、カップとしては十分な厚みです。カルトンからの紙取りは全て曲線製図になり、カルトン同士の接合ではなく、底辺に折りを用いた「折り組み上げ」という構造で組み立てています。しかも「円形に折りを入れる」特殊な折り方を用いています。

fiore2014
底辺は六角形に近い曲辺
折り組み上げ
プロトタイプの底面

発想は“チューリップ”

撮らない写真をパチり。それでチューリップの花の形を、なんとか再現できないだろうかと思案した末、カルトナージュでは想像のつかない形を作ることになりました。トレンドものは旬が命ですから、何とか咲き終わるまでにと、急いで製作したものです。
一見すると多角形状で作りがちですが、花びらを重ねた側面形状は、しっかりラウンドした円錐形。なんと言っても、底から側面までを一体で成形する折り組み上げ技法がオリジナルのテクニックです。