カルトナージュ製図を始める前に

カルトナージュ製図と言われると苦手意識を持つかもしれませんが、製図には工業製図・機械製図・建築製図など、様々な分野において相応の考え方と技術があり、カルトナージュは工芸製図という実用と美的価値を兼ね備えた工作物を作るための製図法が基礎になっています。カルトナージュ製図は製図器を用いて作図していく用器画法になり、主にコンパスを駆使して作図する“コンパス製図”が特色です。

カルトナージュ製図の役割とは

カルトナージュは厚紙を芯材にして骨組みとする箱の形を作らなければなりません。そのため箱の形が正確に組み合うように、箱の面ごとを製図によって描くからです。製図では箱の形を捉えることから始まります。箱の寸法や形状を選び出して、立体から平面に開いた場合に製図しなければならない形の構成をつかむのです。その際、布箱づくりの基本は箱の組み立てを底面から組み上げていく箱の基底とする図形です。例として、柱状体の角箱と丸箱を比較した場合、基底とする図形は正四角形と円形です。角箱は側面の図形が同じ正四角形になりますが、丸箱の側面は延長方形の作図をしなければなりません。

製図用具を揃えるためには

箱の形を取り出すためには正確な製図を描くための道具が必要です。製図には専門的な製図器と文房具としての製図用具がありますが、ある程度カルトナージュの経験がある方でも本格的な製図器を揃えておきたいものです。特に製図器の中ではコンパスが重要です。大きさ10cmの箱なら文房具でも作図が可能ですが、それを超える場合には専門的な製図器が必要です。本格的な製図器は、画材や建築用具から揃えることができます。製図用具を選ぶポイントは、正確で安定した作図が行えるもの。そして、自分にとって使いやすいことが大切です。

左:文房具(100円ショップ)右:製図器(製図器メーカー)

カルトナージュで揃えたい基本的な製図用具

ものさし寸法目盛りをとる金尺ものさし
製図用筆記具製図用シャープペンシル、ペンシル芯ホルダー
コンパス半径15cm範囲の円弧が描ける
ディバイダ両軸が針になったもので寸法の移しに用いる
定規30cmの組み合わせ三角定規と45cmの直線が引ける定規
分度器角度を全方向から測れる全円分度器