クランプとクリップ
カルトナージュの厚紙や布地を貼り合わせ作業においては、接着剤を乾燥させる間にクランプやクリップを用いると接着の硬化を安定して促進させることができます。
接着作業では必須のクランプとクリップ
カルトナージュは接着剤によって組み立てていくため、接着と同時にできあがるものではありません。そのため接着作業のための補完道具がクラップとクリップです。成形工程ではなくてはならないクランプは、主に木材の接合部に用いるつなぎ金具ですが、カルトンを接着し組立てるときに、締め付け具として用います。大型から小型まである中で、厚紙の深いマチ幅を挟むことに向く中型のC型クランプや、ピンポイントに使えるマイクロクランプが便利です。クリップは主に厚紙の貼り合わせに用いるので、挟み込むくわえ幅に応じて目玉クリップやダブルクリップ等を使い分けていきます。
C型クランプ
大型のCクランプは、懐が広く深いため、箱を構造化した後の締め付けに便利です。箱の内装の底板を圧着する場合に、クランプの先を箱の内側にまで入れて、締め付けることができます。
目玉クリップ
大・中・小と揃い汎用的に使用できるものです。各種のサイズによって、厚紙の広さに応じて、まんべんなく挟めるようピッチを違えることができます。主に厚紙どうしの貼り合わせに使用するため、直接に挟むのではなく、必ず下敷きを入れてから挟むことが肝心です。
ダブルクリップ
小さな幅と強力な固定を利用して、ピンポイントで圧締することに有効です。各サイズのものを適宜使用して、巻き折りや留め圧着の際の部分的な使用ができます。圧着部分は金属痕が付くほど強力なので必ず下敷きを用いて使用します。
芯材に用いる厚紙は、接着剤の水分によって反ります。芯材の表面に布地を化粧貼りした直後は、布地の接着が浮いたり、芯材ごと反ったりするのです。そこで、接着剤が乾燥しない内に布地を定着させ、芯材の反りを同時に防ぐ圧締に効果があります。真直ぐな下敷きで挟んだ状態にしてから、クランプやクリップ等の補完道具を用いて、均一な圧力を加えて乾燥硬化を待ちます。カルトナージュづくりでは、厚紙や布地を自然に接着し乾燥させるだけでは不完全です。成形においては、材料の特性を知って最適な状態で取り扱う大切な考え方があります。