ランプシェードを象ったアバジュールの形
「アバジュール」(仏:abat-jour)はランプシェード作りのことで、耐熱プラスティックシートにファブリックを張ってシェードの骨組みに組み立てていくのです。・・なるほどランプシェードの傘の部分を布で仕立てるものでした。
アバジュール型のカルトナージュ
ランプシェードの傘の形をカルトナージュで仕立てる方も随分と多いのではないかと思います。カルトナージュでシェードそのものを作ることがあるようですが、形を上向きで用いて箱や器皿に実用するとカルトナージュの形としても魅力的になると思います。アバジュールとカルトナージュは異なる工芸ですが、カルトナージュに応用できる形を考えてみようということです。
アバジュールの形と製図
アバジュールのシェードは、柱体、錐体、曲体を中心とした形が特徴です。ヨーロピアン様式のランプシェードは、骨組に帆布して筒状にする手法ですから、アバジュールの典型は、円錐形であるコニック(conique)と、円筒形のアメリケン(americain)が代表的な形です。
円柱、円錐、角柱、角錐は容易に仕立てられる形ですが、曲錐は、裾が湾曲して広がる形態です。ランプシェードでは多角形になるほど曲線のシルエットが強調されるシェイプです。このような形は型紙から作ればそれなりの形になるのですが定型で作るとなると製図が必要です。
曲脚錐台形
アバジュールの形について考察したことをきっかけに、カルトナージュ製図で曲線を用いたシルエットを魅力とするアバジュール形を「曲脚錐台形の図法」として作成しています。