タッセルの混色技法

タッセルの色づくりは糸色や素材の持つ色合いによって見え方が変わります。刺しゅう糸の色を使う基本的な混色技法について述べてみたいと思います。

タッセルは並置混色技法

タッセルは素材が持つ色を基本に考えるため、絵の具のように混ざり合って新しい色ができるわけではありません。色の異なる細い糸を並べて見ることで、元の色が同化されて新しい色に見える“並置混色法”がタッセル色彩の基本です。
並置混色法は、異なる色糸を交互に配置することで混ざり合った中間色の見え方をするのです。多くの糸色を使って配色する場合は、糸色の色味・鮮やかさ・明るさを踏まえて、混色する糸色の調和を図ります。

糸色でグラデーション

シルク刺繍糸25番を使って、隣り合う色を3カラーで配色しながら、順に糸色をずらして配色した20段階のグラデーションのタッセルパレットを作りました。もともと滑らかなトーンの糸色があるわけではなく、単純な糸色合わせだと3段階程度です。一般にトーンオントーンという同系色による濃淡配色です。

シルク刺しゅう糸タッセル
タッセル「n25°」(2010)