厚紙の名前・種類

一般に紙・布地の製函の「芯材」に用いる厚紙を、カルトナージュでは「台紙」と呼んでいます。布箱に使う厚紙には、カルトン・グリ、カルトン・ボワ、カードボードの3種類があり、厚紙の特質や種類に応じて使い分けます。

カルトナージュで使う厚紙の種類

カルトン・グリ:carton gris

カルトン・グリはフランス語で“灰色をした厚紙”という意味です。一般通称としてグレー台紙と呼ばれています。紙の名称は板紙類のチップボールといい、主に古新聞・古雑誌を原料にした古紙再生紙として身近な紙箱等に用いられており、画材・工作材料として安価で手に入れやすい材料です。最もよく使われるのが、およそ0.5mm、1mm、2mmの台紙です。

1mm以上の厚みは薄い厚紙を貼り合わせた合紙になる

カルトン・ボワ:carton bois

カルトン・ボワ(carton bois)はフランス語で“木材の厚紙”という意味で、原料に木材パルプ(機械パルプ)を使い、グリよりも美麗で明るい黄淡色をしている厚紙です。殆どフランスから額装材料の裏板紙に使う材料として輸入販売されているもので、一般の額装店でもなかなか手に入れる事が難しい厚紙です。グリよりも軽く、柔らかく、何よりも布地映えが良いことで好まれています。

色褪せた黄淡色で表裏の違いがはっきり

カードボード:cardboard

商業紙器に用いられるカードボードという厚紙類です。カードボードには薄いものから厚いもの、安価なものから高級なものまであり、その中にもカルトナージュづくりに適した厚紙があります。カードボードの良さは、プレス加工によって美麗な表面を持った厚紙で強いコシと張りを持つことが特徴です。中には白色・茶色・黒色等、素地に色を持つ種類もあります。薄くて硬いことから化粧小箱や手帳・バインダーの芯材に向きます。

表裏とも表層が滑らか

台紙で違う箱の芯材

カルトン・グリを使った箱の特徴

素材の灰色とザラついた質感への対処が必要です。素材に一定の水分を含むためしっとりとした触感で、組み立てた箱は重くなります。成形しやすい反面、反りやすく弱くもろいのが特徴です。

カルトン・ボワを使った箱の特徴

元々の素材が柔らかで切削がしやすく、組み立てると軽い箱になり優しい印象を持ちます。黄淡色の表層は化粧映えしますが、薄い白布だと裏写りします。グリと比べて厚みに種類が少ないことが難点です。

カードボードを使った箱の特徴

プレス加工された厚紙は薄手でもしっかりとした箱にできます。表裏とも白色で美麗なため化粧映えに適しています。一方で非常に硬くカットしにくく、その硬さからシャープなシルエットに仕上がります。