フィニアル

フィニアルの意味

西洋型タッセルに用いる「頂華飾り」

 フィニアル(finial)とは「頂華飾り」の総称です。フィニアルは、椅子やランプシェードの先端軸に使う装飾部分やカーテンポールの両端のカーテンの滑り止め、建造物のための頂華飾りなどを指す言葉として用いられています。フィニアルの歴史は、10世紀から12世紀にかけて広まったロマネスク様式や、その後のゴシック様式の聖堂建築の尖頭の影響を受け、教会建築のキューポラや展望台の頂点を保護するために用いた装飾を始まりとしています。タッセルのフィニアルもまた、同意の頂華飾りを反映する一つとして、“房飾りのフィニアル”として捉えるものです。
 タッセルで用いるフィニアルも、西洋の室内装飾に呼応するよう、房に束ねた集束点の保護を担うほか、フィニアル自体が重量を持つため、タペストリーやカテーン、室内調度品等にタッセルを吊ったり掛けたりする「引き手(重し)」の役割も持っています。また、タッセルの単独の装飾性を取り出して、頂華を模した意匠とするパスマントリーの様式美を映す重要なエレメントにまでなっています。

タッセルのフィニアル
 フィニアルを用いたタッセルの多くは、西洋型の房飾りに見られる華やかなスタイルが特徴です。大型のカーテンを留めつけるタッセル・タイバックや、小型のものではキー・タッセルに用いられています。コードの末端の飾り付けにフィニアルを用いるのです。
 タッセルのフィニアルには木製の芯材(ウッド・フォーム)が用いられ、芯材の周囲を糸や紐で覆いながら装飾するのが一般的です。このフィニアルの芯材にする型を“フォーム”といい、タッセルのシルエットをつくるために様々な型を用います。先の尖った鏃の形や、胴が丸く膨らんだナツメの形、壷のような流線の形、裾が広がった吊り鐘の形など、タッセルを一体に装飾する様式美として現れてきます。
 芯材には、古くから木製のウッドフォームや、稀に鉄製のアイアンフォームが用いられます。近年では、樹脂製のプラスチックフォームが使われています。フォームは5cm〜10cmの高さですが、15cm以上の大型のものまであります。芯の中心には、縦に中通しの穴が抜かれており、結節をつくった掛け紐などを通して留め付けるのです。フォーム自体を糸や紐でカバーリングした上で、フリンジやラフ、スカート等をフォームに直接飾り付けていくのです。

タッセルで用いるフィニアルの種類
 フィニアルの芯材には、タッセルの意匠装飾に応じた3つの態様があると考えています。一つ目は、糸や紐でカバー装飾するために用いる「フォーム」です。フォームの表面を糸や紐を巻いて模様を付けたりして、スカート素材と一体となった作り方をします。二つ目は、芯材の素地をそのまま用いる場合や直接装飾を施す目的を持った「モールド」です。モールドに直接彩色を施したり、芯材の素地を活かした意匠を作ります。三つ目は、フィニアルに組み立てることを目的にした場合に、部品となったフォームを組み合わせる「モジュール」です。モジュールにしたフォームを組み合わせて連続したフィニアルの意匠を作ります。

  • finial-1
  • finial-2

編集履歴
第一版公開:2009.09.19
第二版公開:2010.07.01
第三版公開:2011.11.18
第四版公開:2012.12.17
第五版公開:2015.02.28
第六版公開:2015.07.31
第七版公開:2017.07.02