タッセル&カルトナージュ「幸せの感嘆符」  Contemporary Japanese Tassel and Cartonnage
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輪形

輪形のカルトナージュ

Ring-shaped Cartonnage

 丸い輪になった形を「輪形【わがた・りんけい】」といいます。リング形やドーナツ形、バームクーヘン形等と形容することもできるでしょう。サークル形を基にしますが、中央を抜いた円環を形態に利用するものです。


輪形カルトナージュづくりの特徴

 カルトナージュにとって「輪形」は、実用使いには向かない形態です。珍しい形ゆえに、近年では一部の菓子箱として贈答形態に用いられるようになりましたが、形の存在感を示すための“魅せる箱”に仕立てる考え方がポイントだと思います。カルトナージュにおいては、見せる目的に適したディスプレイ・ボックスの一例として参考になる考え方です。
 輪形は中央をくり抜いた円環形状を収納スペースに用いるため、収納に適した定形物を円上に配列させて見せることに向く形態です。収納・配列の均一な美しさも、輪形が持つ特徴になっています。一方で、汎用的な収納力は低下することが短所になります。構想段階で中身の収納に関して、外観が輪形である必要があるのかという問いを捉えておく必要があります。奇をてらっただけのカルトナージュにならないよう注意したいものです。
 輪形の設計は、サークル形を基礎にした製図によって成形することができます。最も重要なのは、定型物の個体寸法を元に内装寸法を割り出して、円環の広さや仕切り等の配列を決めることです。円環構造は、外巻きと内巻きの側面を平行に倒立させてラウンドさせなければならず、外巻きよりも内巻きを作ることが難しくなる構造特徴を持っています。輪形の基本形態においては、円環の身蓋を組み合わせる被せ式を基本とすることができます。


創作作品例:CARTONNAGE " RONDO"

 日本の伝統工芸「吊り飾り」は、季節の風物や縁起ものを細工物にして、吊り下げて飾る習慣があります。この作品は輪形から「繋・輪・結・治・舞」の意味を捉えて、輪の形を二つ組み合わせる「くぐり組み」という技術を用いた「クリスマス“吊りい”」(2010年11月発表)作品です。フランスの伝統菓子の「パリブレスト」作りから発想した形状で、ネーミングの“ロンド”とは、楽想の中で繰り返される形式の回旋曲から名付けました。

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編集履歴
第一版公開:2010.11.26
第二版公開:2013.09.08
第三版公開:2016.01.05

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