Nカット

縦につなぐ一般的な手法の問題点

 サークル形やオーバル形を作ったとき、曲げた台紙の先が尖ったり、縦方向に折れ目が現れたりしたことはありませんか?教則では縦で真直ぐ繋ぐ方法が主流な上、台紙の紙目や表裏の特性を知らないまま作ると必ず失敗してしまうのです。ケースバイケースですが、ほとんどの場合、「縦で繋ぐと失敗しますよ」と助言しています。

Nカットの手法
 なぜ「縦」で繋ぐと失敗するかというと、1ミリのカルトンなら紙目や表裏を正しくとっても、ラウンド径が小さい場合は、カルトンの張り(元に戻ろうとする力)に負けてしまいます。こういう場合の縦でのつなぎ目は、繋がっているというよりは、引っ張り合っているという状態です。縦のつなぎ目の一カ所に引っ張る力が集中してしまい尖ってくるのです。それだけに、縦幅の短いリングのようなサークルでは、縦幅の接合が短いために、繋いでも横からの押しに弱くなる欠点が生じます。また逆に、シリンダータイプのようなラウンド径が小さく長い筒状の形態においては、縦に長いつなぎ目ができ、引っ張りの力が多くかかり接合部分に縦に長い筋状の尖りが強く現れてきます。
 そこで、カルトン接合する部分の形状を「斜め」でつなぐ手法を用いると解決します。接ぎ目がアルファベットの「N」に見えることから独自に名付けました。幅の短いカルトンでも「斜め」でつなぐと接合箇所が長くとれるため、台紙の曲げによる引っ張りが接合した左右の台紙へ均等に配分されていきます。つなぎ目が左右に広がることで、横からの押しにも強くなり、ラウンドの強度も高まります。それだけに、シリンダータイプやタンブラータイプのようなカルトンの引っ張る力が大きくなるものは有効です。

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Nカットのデメリット
 サークル形をつくるのに有効な接合方法であるもののデメリットもあります。斜めにカットするために製図による紙取り作業が難しくなります。接合においては、縦に繋ぐよりも接合箇所が長くなります。カルトンの両端はラウンド径とカルトンの幅に合わせて、斜めの幅が曲がる長さを決定しますが、短いと逆に尖って接合しにくくなり、長すぎると今度は巻きにくくなります。斜めにカットする際の注意点は、溝をつくらないよう正確にカットして合わせることが重要です。これは縦繋でも同じなのですが、斜めカットは、後のくるみの段階で、重ね代からはみでた状態になるために、カルトンの接合が雑な場合は、くるんだ後からつなぎ目が浮き出ててしまうので丁寧な作業が求められます。綿ローンなどをそのままくるみで用いる場合には、水貼りテープの段差まで現れてしまうので、しっかりヘラ掛けをしておきます。シビアなくるみをする場合には、生地に裏打ちをする等の細かな配慮を考えておきます。

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編集履歴
第一版公開:2009.08.08
第二版公開:2010.02.27