
花菱房鍔器(はなびしふさつばき)
花文を竪(縦の向き)に「刀のつば」を象った形
花文を竪(縦向き)にして「刀のつば」を象った形。上下に等しい小円弧と、左右で等しい大円弧を組み合わせて、四方の各片を花弁状に図案化しました。縦向きに用いると「竪四方花鍔形」、横づかいをすれば横四方花鍔形です。
「花鍔形」(はなつばがた)
四方各片の花文は「花菱」(はなびし)や「木瓜」(もっこう)を連想する形ですが、花鍔形の花文の全体印象は「楕円」を元に象っており、花菱形のように菱の各片を花弁状に図案化するのではなく、楕円形の各片を花弁状に図案化することで華やいだ形状をつくりあげるものです。花形は、箱の各片を花弁状に図案化した箱の典型ですが、特定の花を指す具象的な形ではなく、花を意味する汎用的な形になるのが主です。それだけに、花形のバリエーションは限られるため、和装化する上では、花文の形に意味を伴う図示表示として花の形の工夫が望まれる形です。