Lesson 8-2 糸綛の用い方

糸綛をそのまま「房」に

 タッセルを束ねるために、どれだけの糸が必要なのでしょうか。タッセルの房の大きさは、糸の素材、糸の太さ、糸の長さによって決まります。一般的なコットン刺しゅう糸25番の場合、撚糸6本を縒り合せた糸(ストランド:strand)で8mの綛になっています。25番を一綛使った場合には、およそ直径1cmで房長5cmのタッセルになります。

  • 糸綛
  • 房束

《綛をそのまま用いる方法》
 最もシンプルな用い方は、糸を解かず綛のまま束ねる方法です。コットン刺しゅう糸25番の綛の長さは約16cmです。刺しゅう糸綛の真ん中を掛け紐で縛り、二つに折って8cm長の房にして束ねる作り方です。細く束ねるタッセルに向きますが、糸の量を多く取りたい場合は、綛を解きスプールで巻き取りを調整しなければなりません。

《スプールを用いる方法》
 タッセルづくりの基本は、大きさを定めるために糸を綛に巻き取るワインディング工程を踏みます。ワインディングは、各種のタッセルスプール(巻き取り板)を用いて綛状に整える工程です。スプールは、糸を巻いて綛状に固定するための道具ですが、スプールの大きさに基づいて、糸を引き揃える長さ、糸を巻き並べる幅、糸を巻く回数で、タッセルの大きさを定めるのです。スプールには可変式と固定式とがあり、固定式スプールは、タッセルの長さに合わせて、糸を巻き取るスケールになっています。
 タッセルスプールはタッセルの骨格を考えて用いるのが基本です。糸綛を解いて丁寧にスプールに巻いていくのですが、スプールに巻く長さを房長の目安にして、糸を巻いて並べる幅をタッセルの直径の目安にします。糸を巻き重ねていくことで、房の形を整えることになりますが、巻いていく回数は房の量に応じて必要な糸の全長を用います。

  • スプール
  • タッセル比較

 同じ一綛で作っても、房糸の作り方によってタッセルの大きさが異なります。これをタッセルの量感といいます。刺しゅう糸の綛をそのまま使ったタッセルよりも、スプールを用いたタッセルは、量感に基づいて糸を巻き取るため、元糸の量を多く残すことになります。仕上げに同じ長さで裾を切り揃えると、余り糸の量がおよそ2倍も違います。できるだけ余り糸を少なくし、実際に必要な房糸の量でタッセルを作ると、これくらい差があるのです。


編集履歴
第一版公開:2010.07.07
第二版公開:2011.10.01
第三版公開:2013.04.04
第四版公開:2016.09.07