Lesson 1-6 カラス切り

貼函(てんかん)の技術:カラス切り

 化粧布の柄の位置を考えた上で、蓋の大きさに合わせて布取りしておきます。下図例では、蓋箱の天面中央にパターン柄が見えるように位置取っています。パターン柄に上下や方向がある場合は、柄の位置取りによって蓋の向きが決まります。蓋の内装の展開から化粧取りするのとは異なり、組み上がった蓋箱を包む化粧取りをしなければなりません。そのため、クロスを平置した状態で、蓋箱の側面から内側へ巻き返すための化粧縁まで取れるよう、見当立てておくことが重要です。

  • 布取り
  • 柄取り

(1)天面のみ布地裏面に接着固定した上で、実際に組み上げた箱に合わせた展開図を直接作図します。

  • 図
  • カラス

(2)各辺の曲げに対する直線を求め、角が交差する部分を作図します。

  • 図
  • カラス
  • 図
  • カラス

(3)カラス切り

「カラス切り」という独特の裁ちを行うための展開図を作図します。側面どうしを糊代で貼り合わせていくための代裁ちに加えて、折り曲げてできた斜角(カルトンの段差と溝)をカバーするための糊代を同時に作らなければなりません。斜角の代裁ちは、側面辺が延長する小さな部分です。(角の真下に作るカラスのくちばしのような図)

  • 図
  • カラス
  • 展開図

蓋箱の化粧裁ちの注意点
 組み上げ式の化粧裁ちは、天面から側面が一体になったトリムでカバーできることが特徴です。しかし、各側面は別個に貼り合わせするために、各面に糊代が必要になってしまいます。各側面に貼り合わせした重ね代が現れてくるのです。特に奇数箱は、各側面に上代と下シロの両方を作って、順に貼り合わせて周回していくことになります。そのため最後の面まで同じ裁ち代にすると、貼り合わせができなくなるため、貼り始めの面を柄位置に符合させて決めた上で、貼り始めの裁ちは、両方とも下シロにして、貼り終わりの面は、下シロを持たない上シロのみの化粧断ちをします。側面の高さの布は、くるみの段階で化粧縁を作って裁ち落とすため、この段階では成行きで残したままにしておきます。


編集履歴
第一版公開:2009.07.27
第二版公開:2009.09.30
第三版公開:2014.12.30