Lesson 1-3 正五角形の図法

五角形製図の基本

 ポピュラーな五角形の作図は、分度器を使って作図する方法ですが、工芸製図における五角形の作図方法は、正円に内接する正五角形の図法です。カルトナージュの大きさを正円の中に捉えて作図することが基本です。本レッスンでは分度器製図を用いず、コンパス製図で正五角形を作図する演習です。分度器製図よりも手順が多くなりますが、カルトナージュ製図を基礎から身につけたい場合には、ぜひともトライして下さい。

正五角形の分度器製図(円の内角から角度を分度器で求める方法)
  • 分度器
正五角形の図法
  • 図法

展開図の紙取り
 五角形の被せ式箱の作図は、最初に蓋箱の天面と身箱の底面とを作図し、五角形の各辺から側面を拡張して展開していく方法です。カルトナージュ製図の工程では、直接カルトンに作図するため、展開図に広げた大きさの台紙を元に作図しなければなりません。正円に内接する正五角形の作図は、始めに正円を描いた中に五角形を求めるため、台紙の中心から作図を始めます。
 展開図の大きさは、約21cmの正方形内に収まるのですが、余分をとって大きめの台紙を用いても良いでしょう。製図を始める前に、蓋と身に必要な大きさのカルトンを紙取りしておきます。紙取りの際には、カルトンの表面に作図をすることや、紙目を正五角形のいづれか一辺に対して直角にすることに留意しておきましょう。

  • 展開図

「折り組み上げ式」の構造とは
 一般的なカルトナージュの構造手法は、箱の構造を面に分別して組み付けていく作り方をします。ペンタゴンボックスは、箱の天面と底面を基準にして、各側面を折り起こして組立てる「折り組み上げ」の手法を用いて作ります。仕様図のように、身蓋がそれぞれ一体構造になることが特徴です。通常の組み付け手法では12面のパーツ取りをしなければなりませんが、カルトンパーツに折り筋を入れただけで、容易に折り起こして形を組み立てることができます。しかし各面の接合部分には、カルトンの厚みが溝になって現れてきます。多角形特有の角が分かれたまま接合する「隅接ぎ」をすることになります。一般的な角面どうしを接着する「平受け接ぎ」に比べて、接合強度が下がりますが、通常は水貼りテープで補強すれば問題はありません。但し、この箱の製作には水貼りテープを使わず、隅接ぎの接着と包みだけで構造を保持する作り方になっています。小さい箱でありながら2mm厚のカルトンで隅接ぎしやすくし、張りのあるイタリアンペーパーとクロスのカバーリングで固定します。


編集履歴
第一版公開:2009.07.27
第二版公開:2009.09.30
第三版公開:2014.12.30