Lesson 1-2 五角形箱の構造

ペンタゴンボックスの仕様

 五角のシェイプを持ったカルトナージュから、多角形箱のイメージが強く表れてきます。ペンタゴンと呼ばれる五角形は、シンボライズされた形の構造と製図法が特色です。

(1)箱のサイズ:高さ54mm×幅100mm(幅は五角の左右寸法)
(2)蓋箱の高さ:20mm
(3)身箱の深さ:50mm
(4)箱の形状:正五角形を平面図形とした五角柱
(5)箱の構造:折り組み上げによる被せ式箱

  • モデル
  • 展開

「折り組み上げ式」の構造とは
 一般的なカルトナージュの構造手法は、箱の構造を面に分別して組み付けていく作り方をします。ペンタゴンボックスは、箱の天面と底面を基準にして、各側面を折り起こして組立てる「折り組み上げ」の手法を用いて作ります。仕様図のように、身蓋がそれぞれ一体構造になることが特徴です。通常の組み付け手法では12面のパーツ取りをしなければなりませんが、カルトンパーツに折り筋を入れただけで、容易に折り起こして形を組み立てることができます。しかし各面の接合部分には、カルトンの厚みが溝になって現れてきます。多角形特有の角が分かれたまま接合する「隅接ぎ」をすることになります。一般的な角面どうしを接着する「平受け接ぎ」に比べて、接合強度が下がりますが、通常は水貼りテープで補強すれば問題はありません。但し、この箱の製作には水貼りテープを使わず、隅接ぎの接着と包みだけで構造を保持する作り方になっています。小さい箱でありながら2mm厚のカルトンで隅接ぎしやすくし、張りのあるイタリアンペーパーとクロスのカバーリングで固定します。

  • 折り

展開図にしやすい組み方
 折り組み上げ式の良さは、五角形製図から展開図に拡張しやすいことです。天面の製図と底面の製図を2回行い、そこから側面を描き足す展開の仕方で製図を終えることができます。また、内装紙を貼り込んだ状態で組み上げることができるため、別仕立てで内装を入れる必要がありません。そのことで外装の折り返し代を裁ち落としで処理できるのです。隅接ぎによる接合溝は、化粧張りによってカバーされるため、各辺角全てにテーパー(傾斜角)ができ、五角形の角ばった形に柔らかさを与えることになります。箱の座りがテーパーによって少し立ち上がることで、箱の重心が上がり存在感が浮きあがってくるのです。角ばった部分がないため、蓋を開閉する際の手あたりが優しくなります。


編集履歴
第一版公開:2009.07.27
第二版公開:2009.09.30
第三版公開:2014.12.30